文苑堂 ベストセレクション
【平野啓一郎さん特集】
『日蝕』で第120回芥川賞受賞した平野啓一郎さんをご紹介します。
11月から『マチネの終わりに』の映画が公開中です。
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『マチネの終わりに』物語はクラシックギタリストの蒔野聡史と、海外の通信社に勤務する小峰洋子の出会いから始まります。
初めて出会った時から、強く惹かれ合っていた二人。
しかし、洋子には婚約者がいました。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまいます。
互いへの愛を断ち切れぬまま、別々の道を歩む二人の運命が再び交わる日はくるのか。
文藝春秋 935円
『ある男』
彼女の夫は「大祐」ではなかった。
夫であったはずの男は、まったく違う人物であった…。
愛にとって、過去とは何か?
人は他人の人生を生きることができるのか?
文藝春秋 1,760円
『透明な迷宮』
深夜のブタペストで監禁された初対面の男女。
見世物として「愛し合う」ことを強いられた彼らは、
その後、悲劇の記憶を「真の愛」で上書きしようと懸命に互いを求め合う。
その意外な顛末は。
新潮社 572円
『空白を満たしなさい 上』
ある夜、勤務先の会議室で目醒めた土屋徹生は、
帰宅後、妻から「あなたは三年前に死んだはず」と告げられる。
死因は「自殺」。
家族はそのため心に深い傷を負っていた。
しかし、息子が生まれ、仕事も順調だった当時、自殺する理由などない徹生は、殺されたのではと疑う。そして浮かび上がる犯人の記憶…
講談社 748円
全国で生き返る「復生者」たち。
その集会に参加した徹生は、自らの死についての衝撃的な真相を知る。
すべての謎が解き明かされ、ようやく家族に訪れた幸福。
しかし、彼にはやり残したことがあった…。
生と死の狭間で「自分とは何か?」という根源的な問いを追究し、「分人」という思想が結実する感動長編。
講談社 748円
『日蝕・一月物語』
錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光…。
華麗な筆致と壮大な文学的探求で、芥川賞を当時最年少受賞した衝撃のデビュー作「日蝕」。
明治三十年の奈良十津川村。
蛇毒を逃れ、運命の女に魅入られた青年詩人の胡蝶の夢の如き一瞬を、典雅な文体で描く「一月物語」。
閉塞する現代文学を揺るがした二作品を収録し、平成の文学的事件を刻む。
新潮社 693円