文苑堂ベストセレクション
4月14日に第18回 本屋大賞発表がありました。
大賞を受賞した町田その子さんの特集
▽
▽
▽
『52ヘルツのクジラたち』
52のヘルツのクジラとはー
他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。
たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。
そのため、世界で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、
母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、
新たな魂の物語が生まれるー。
中央公論新社 1,760円
『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』
世界が変わるほどの恋。
すべてが反転する秘密。
大胆な仕掛けに満ちた、選考委員激賞のデビュー作!
抜けてしまった歯が思い起こさせるのは、
一生に一度の恋。
もう共には生きられない、あの人のことー。
第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作をはじめ、
どんな場所でも必死に泳いでいこうとする
5匹の魚たちをとびきり鮮やかな仕掛けで描いた連作集
新潮社 693円
『コンビニ兄弟』
九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。
その名物店「門司港こがね村店」で働くパート店員の日々の楽しみは、
勤勉なのに老若男女を意図せず籠絡してしまう
魔性のフェロモン店長・志波光彦を観察すること。
なぜなら今日もまた、彼の元には超お個性的な常連客(兄含む)たちと、
悩みを抱えた人がやってくるのだから…。
コンビニを舞台に繰り広げられる
心温まるお仕事小説。
6編の連作短編集。
新潮文庫 737円
『うつくしが丘の不幸の家』
築二十五年の三階建て一軒家を購入し、一階部分を店舗用に改築。
美容師の美保理にとって、これから夫の譲と暮らすこの家は、
夢としあわせの象徴だった。
朝、店先を通りかかった女性に
「ここが『不幸の家』って呼ばれているのを知っていて買われたの?」
と言われるまではー。
わたしが不幸かどうかを決めるのは、
家でも他人でもない。
『不幸の家』で自らのしあわせについて考えることになった
五つの家族をふっくらと描く、傑作連作小説。
東京創元社 1,760円
『ぎょらん』
十数年前の雑誌に一度だけ載った幻の漫画『ぎょらん』。
作者の正体も不明ながら、
ネット上では「ぎょらんは本当に存在する」という噂が
まことしやかに囁かれていた。
三十路のニート、卸舟朱鷺は、大学一年のときに口した友人の「ぎょらん」に
今も苦しんでいると語るが…。
とある地方の葬儀会社で偶然に交錯する、
「ぎょらん」を知る者たちの生。
果たして「ぎょらん」とは一体何なのか。
そして死者の願いは、遺された者に何をもたらすのかー。
「R-18文学賞」大賞受賞作家が描く、
妖しくも切ない連作奇譚。
新潮社 1,815円